過去の自分と今の自分は同じ?【テセウスの船】

ひとりごと

以前思考実験の本を読んだことがあって、そのときに出てきた言葉を最近テレビCMで聞いて思い出したのでこの記事を書いてみます

CMでこの言葉を聞いたのは、明日(2020年1月18日)から始まるドラマ “テセウスの船”の宣伝

あるパラドックスのタイトルのような言葉ですが、どんなパラドックスなのか、この言葉がドラマとどう関連するのかという妄想を書いています

テセウスの船とは

ギリシャ神話のお話がもとになっています

簡単に書くとこんなお話です

テセウスという人がクレタ島からアテネに帰還したときの船はアテネの人々に大切に保管されていた

腐ってきた部分があればそのパーツは新しいものに交換されて、長い間保管されていた

お話はだいたいこんな感じです

このお話で議論されるのは、どんどん補修されて新しい部品に置き換えられたテセウスの船はもとと同じものかどうかということです

もはや同じ船ではないという考え

部品がどんどん置き換えられていき、すべての部品が置き換えられれば、もはやクルタ島からアテネの間をテセウスとともにわたった船の部品は船のどこにも存在しません

この船は”テセウスの船”といえるでしょうか

同じ船であるという考え

部品はすべて置き換わったとはいえ、同じ形を保っているのだから同じ船ということもできます

もし、同じ船ではないというならどのタイミングから船は”テセウスの船”ではなくなるのでしょうか

テセウスが帰還してから初めて部品を1つ交換したとき

100個部品があったとしてそのうちの1つを交換したくらいならまだ元の船と同じといえそうです

2つ目を交換した段階でもまだまだ同じです

では、何個目かの部品を交換した瞬間に別の船になると言い切れるでしょうか

n個の部品を交換した段階では”テセウスの船”だったものがn+1個の部品を交換した瞬間に違う船になるというのはなんだか変な感じがしませんか?

お話の続き

さらにテセウスの船のお話には続きがあります

人々は部品をすべて交換し終わったあと、朽ちて取り換えられた部品を集めてもう1つの船を作ってしまいました

2つの”テセウスの船”が出来上がってしまったわけですが、修復を重ねた船と廃材から復元された船、どちらが本物なのでしょうか

修復を重ねてできた船が本物という考え

これまで、”テセウスの船”として修復され続けてきた船が、”復元された船”が出現した瞬間偽物になってしまうのは違和感を感じます

復元された船

もし考古学者が”テセウスの船”を調査したいと思うなら、復元された船を調べるのではないでしょうか

テセウスがのっていたときの状態を残しているのは復元された船だからです

何を基準に”同じ”というかで答えが変わる

現代の船に話を例に考えてみます

大阪から香川にいくフェリーにのります

“去年と同じ船にのって今年も大阪から香川にいく”という場合どんな意味になるでしょうか

船そのものが同じというよりは、同じ会社が運営する同じ時間に運航する船という意味になると思います

ただ厳密に同じ船というなら”同じ型式の同じ個体番号の船”という場合もあるでしょう

こんな風に同じの基準がたくさんあるせいでどれが”テセウスの船”なのかわからなくなってしまうのです

ドラマとはどう関係するの?

TBSのホームページによるとドラマのあらすじはこんなかんじ

主人公は父親が殺人犯として逮捕され、世間から厳しい視線を浴びて生きてきた

ある時、事件現場を訪れた主人公は事件直前の時代にタイプスリップしてしまう

主人公は事件を阻止して過去を変えようと立ち向かう

タイムスリップする前と、タイムスリップによって過去を変えた後、それぞれの父親を部品交換して修復した船と廃材から復元した船になぞらえているのでしょうか

主人公はどっちの父親が本物なのかって悩んだりするんでしょうか

ドラマのストーリーがパラドックスのお話とどう関係するのか気になります

まとめ

テセウスの船のパラドックスについて紹介しました

皆さんはどう考えましたか?

僕は、修復を重ねた船が本物だと思いました

テセウスが帰還してからずっと、人々はそれが”テセウスの船”だと思ってきたので

絶対正解という答えはないので、だれかと議論してみても面白いと思います

この記事を読んで思考実験に興味が出た方はこの記事も読んでみてください

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