MECE もれなくダブりなく考える思考法

MECEとはMutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字をとった言葉で、もれなくダブりなくという意味です

MECE思考法は使えば問題点の洗い出しや市場調査をはじめとする情報の収集・整理・分析において重要な考え方で論理的な思考に取り組むうえでも欠かせません

MECE思考をどうやって使えばいいのかみていきましょう

MECEがなぜ必要か?

ビジネスでは、世の中で起きている問題や課題の解決策を見つけ、顧客の生活をよりよくしていくことを目指します

課題が大きく複雑であればあるほど、論理的でシンプルに切り分ける必要があります

この「切り分け」に漏れやダブりがあると、問題を解決できなかったり、何度も同じ事を繰り返すことになり非効率です

非効率であることは、ビジネスでは好ましい状態ではありません

MECEは、これらの漏れやダブりを減らすための、重要な考え方です

MECEの手順

MECE思考は次の順番で行います

  1. 情報収集の目的を設定する
  2. 情報収集の切り口を決める
  3. 漏れとダブりをチェックする

下でもう少し詳しく見ていきましょう

情報収集の目的を設定する

情報収集の具体的な内容や方法を決める前に、まずは目的を決めます

例えばマーケティング施策を考える際、”自社のサービスを利用している顧客の属性別ニーズを知ること”を目的とするような場合を今回は考えます

情報収集の切り口を決める

目的に沿って、情報を収集する切り口を考えます

切り口を考える際は、”目的に関係する変数は何か”という問いを持って考えます

具体例を挙げると、目的が”自社のサービスを利用している顧客の属性別ニーズを知ること”だとして、これがもし女性限定のエステ店であるなら性別という切り口を用意しても意味がありません

この場合、年齢や月々の美容にかける予算などを切り口として考えてみるのが妥当でしょう

目的とする分析内容から逆算して、どんな情報を集めると判断材料が得られるかを意識して切り口を設定します

漏れとダブりをチェックする

設定した切り口でMECEが成立しているかをチェックします

例えば年齢の属性で20歳未満や、70歳以上といった項目が抜け落ちてしまうのが漏れ、若い女性、女子大生、20代女性のようにあいまいな切り口が混在するのがダブりです

漏れが生じている場合には項目の追加を、ダブりが発生していたら統合や分割をして調整します

この時特に漏れには注意しましょう

ダブりについては手間やコストが余計にかかる可能性はありますが、あとあと修正可能です

が、漏れについては一度見逃すと最後まで見逃されたままになってしまう可能性があります

MECEの2つの方法

複雑で大きな課題を、シンプルで小さな要素に細分化することを「構造化」と言います

最適な切り分け方の指針となる概念がMECEです

考え事をしていると視野がどんどん狭くなり、細かいところにこだわり過ぎて全体が見えなくなってしまう事がありますが、俯瞰的に全体を見ながら、漏れなく、ダブりなく見ていく事が大切になりますMECE(漏れなく、ダブりなく)に全体を見る方法として、2つのアプローチがあります

  1. トップダウンアプローチ
  2. ボトムアップアプローチ

トップダウンアプローチ

物事の全体像を捉え、全体を構成する要素を目的や課題に沿った切り口で分類していく方法です

全体像が明確に定義できるときに、有効となるアプローチです

体系的、俯瞰的に物事を考えられる点とゴールを意識しやすいというメリットがありますが一方で全体像に誤りがあると漏れやダブりが発生しやすくなるというデメリットがあります

ボトムアップアプローチ

ボトムアップアプローチは、要素をひととおり洗いだし、グループ化することで全体像を導き出す手法です

全体像が不明瞭な場合や、要素分解の見当がつかないときに役立ちます

メリットは、あらかじめ適切な分類方法がわからないケースで有効ということと、未知な領域でも思考を始められる点にあります
デメリットは、全体像がわからないため要素に抜けや漏れが生じやすくなります。

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