問題にぶちあたったとき、どうしようと悩んでも考えが漠然としていて何をどうがんばればいいかわからないものです
ただやみくもに頑張るのではなく、型にはめて考えてみると今までは思いつかなかったアイデアが見つかるかも
論理的思考(ロジカルシンキング)
結論と根拠のつながりを明確にし、客観的かつ合理的に考えるための思考法
”○○だから××”でつながる考え方ともいえる
結論と根拠がそれぞれ明確であり、さらにそれらが適切に結びついていることが重要
水平思考
論理的な正しさに縛られず柔軟に発想を広げる思考法
論理的思考が連続的な縦の思考を行うことから”垂直思考”と呼ばれるのに対し、非連続で論理を横にずらすような思考を行うため、水平思考と呼ばれる
垂直思考は合理的な結論を出せる一方で、既成概念やセオリーにとらわれて斬新な発想を生み出しにくいという弱点を持っている
それに対して水平思考では、○○なら××という一般的な論理の正しさをあえて崩すことで、飛躍的な思考を行うことができる
飛躍的で自由な発想をするため、新しいアイデアを考えるのに向いている
ただし、誰もが納得できるようなアイデアを発送するのには向いていない
実用化を考える段階では垂直思考が不可欠で、双方をセットで活用できる力が必要
批判的思考(クリティカルシンキング)
健全な批判精神をもちながら、 物事を論理的に考える思考法
論理的思考は結論と根拠を筋道立てて考えるものですが、それは問題解決の場面では必須ですが、前提を誤って設定したり、解釈を間違えたりすると効果を発揮しません
批判的思考にはこのような論理的思考の注意点を補う機能があります
前提は正しいのか、結論と前提はほんとうにつながっているかなど 、客観的かつ批判的な目線で思考を行います
演繹的思考
実際に見聞きした物事に対して、一般的なルールや理論などの大前提から結論を導き出す思考法
例えば”すべての物体は落下する”という一般論が大前提として存在し、”リンゴは物体である”という小前提があったとすると”リンゴは落下する”という結論が導かれます
これが演繹的な思考の論理展開です
演繹的思考は推論の一種です
推論とは既知の情報から未知の結論を導き出す論理的な思考過程のことです
あらかじめ得られている情報である”前提”から決断を下します
帰納的思考
いくつかの具体的な物事の中から共通点を見つけ出し、普遍的な一般論を結論として導き出す思考法
演繹的思考とは逆の流れをたどります
事象の中からどのように共通点を見出すか、そこからどのように結論を導き出すか、思考する側に想像力や知識、経験が求められます
アブダクション
ある事実が起きた理由を説明できる仮説を考える、という思考法
日本語では仮説形成といいます
基本形は 驚くべき事実Zにであう→もしY(説明仮説)が真実だとすると、Zは当然のことである→よってYは真実であると考えられる という流れです
具体例を挙げると、 リンゴが木から落ちたという事実に驚き、地球とリンゴが引き合っているという仮説を考えるといったことです
飛躍的な考え方をする思考法であり、”発見の思考法”ともいえます
要素分解
そのままでは考えるのが困難である複雑な対象を小分けにする方法
例えば、上司と部下のコミュニケーションの問題について考えるとき、上司側に問題があるのか部下側に問題があるのか、スキルの問題かマインドの問題かといった具合に細かく要素を見ていきます
要素を分解することで深堀して考えやすくなっていきます
MECE
Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字をとった言葉
もれなくダブりなくという意味の言葉です
問題点の洗い出しや市場調査などの情報収集、整理、分析において重要な考え方であり、論理的な思考に取り組むうえで欠かせない思考法です
PAC思考
Premise(前提)、Assumption(仮定)、Conclusion(結論)の3項目に着目し、結論の妥当性をチェックすることで、思考の精度を高める思考法
批判的思考を行うための具体的な思考法の1つです
論理的思考は、結論と前提が正しく結びつけるものでしたが、その結論と前提の間に存在するのが仮定です
PAC思考ではその仮定の正しさを疑い、主張の妥当性を確認します
メタ思考
思考についての思考のこと
具体的に何らかの思考を行っている自分自身を客観的かつ俯瞰的に見つめ、何を考えるかを考える、どう考えるべきかを考えるという思考法です
行動や意思決定などの具体的なアウトプットを思考の対象とするのが”対象レベルの思考”、その対象レベルの思考をさらに思考の対象とするのが”メタレベルの思考”です
ディベート思考
ディベートとは論題に対して賛成・反対の立場に分かれて議論を行い、ジャッジマンを説得する過程を通して、論題に対する最善の解を探すものです
賛否両論が出てくるため、物事を論理的に考える方法としても有効です
このディベートの考え方を問題解決の場面に持ち込むことで、物事を論理的にとらえ、多様な視点で意見をぶつけ合わせながら、よりよい結論を探求するのが”ディベート思考”です
ブレインストーミング
アレックス・F・オズボーンが考案したアイデアの自由発想を行うための思考法
ブレストやBS法などとも呼ばれ、会議やワークショップの場において、集団でアイデアを出すためには欠かせない手法
ブレインストーミングでは、アイデアの発散と収束を意識的に区別する
まずポイントとなるのは、評価は後回しにして、とにかくアイデアを出して発散しつくすこと
評価を後回しにするのはアイデアを出そうとする段階で評価を入れてしまうと、発想の幅が広がる前に収束してしまい、思考の柔軟性を妨げてしまうため
アイデアが出やすい環境づくりのために、批判しない、自由に発想する、質より量、アイデアを結合するという4つのルールのもと発送していく
類推思考
異なる物事の間にある類似性に着目し、思考対象となる課題に応用する思考法
似ている物事から発送のヒントを借りる考え方
課題に対して、あらゆる物事から思考の材料を抽出して応用できる点が類推思考の利点
過去の出来事や競合他社の取り組み、さらには日常的に行う料理や掃除などの行為、鳥や犬といった生物の持つ特徴など、様々な物事から思考を発展させることができる
類推思考は抽象化と具体化の2つの段階で構成される
最終的に目的とする思考領域をターゲット領域、思考の材料を借りる先をベース領域と呼ぶ
逆説思考
一般的に正しいと思われていることの逆を考えること
新しい発想の切り口を探す思考法
常識や定説にとらわれない柔軟な発想を促すもので、そもそも論を問い直して心理に迫る思考ともいえる
定説とされていることは、あくまでも過去を基準にしたものであるため、今直面している課題の解決策にはなりえない場合もある
定説をうのみにせず、時代の変化の中でよりよくできるかどうかを検討してみることは重要
既存のものの見方の枠組みを脱したり、相対化して物事をとらえられる点が逆説思考のメリット
思考に行き詰まった時やマンネリ化に悩んだときは、既存のアイデアや前提の逆を考えると何が得られるだろうかと問うことで、新たな視点を獲得できることがある
IF思考
IF 思考とは、「もしも○○だったら?」という仮の状況や条件を想定することによって、発想を促進する思考法
既存の思考の枠組みの中では得られない、新しい着想を獲得できる点が利点
IF 思考を取り入れる中で意識しておきたいポイントは、IF (もしも)という問いによって、前提を変えているということ
前提を変えるというのは様々な思考法の中で登場するエッセン スではあるが、既存のものの見方では前提を変えるのはなかなか難しいもの
そんな中、これまでと異なる条件を設定するというプロセスを意識的に組み込むことで、前提にとらわれない発想を得られることがIF思考のメリット
日頃から「もし○○なら」と いう問いを持ち、様々な視点をストックしていくことが重要
素人思考
その分野の初心者の目線で物事を考える思考法
知識や経験を積むこと で、枝葉が見えるようになる
物事を深く掘り下げ ていくうえで、細かく見ることは重要だが、時としてそれが思考の妨げとなる場合がある
例えばアイデアを考える際、自身の経験や、多くの情報を持っているがゆえに、本質を見失 ってしまうことがある
また、コミュニケーションにおいても、もっとシンプルに言えるはずが、知っているがゆえに詳しく言いすぎてしまうこともありがち
そんなとき、「素人目線で考えるとどうか?」 「初めて見聞きする人ならどう考えるか?」と いった視点で考え直し、新しい着想や、本質的な着想を得ることを目指す思考法
トレードオン思考
何かを得るにはほかの何かを失わざるをえない 関係性を「トレードオフ」という
品質とコスト、仕事とプライベートなどが代表的な例とし て挙げられる
トレードオフを打破して、 2つの相反する要素を両立させようと考える思考がトレードオン思考
一石二鳥を考えることで、革新的なアイデアの 創出を目指す思考法といえる
プラスサム思考
交渉や競争において、富の総和がゼロになる状態をゼロサムという
ゼロサムの状態では、誰かが利益を得ることによって、他の誰かが損失を被ることになる
誰かが生き残るためにほかの誰かが淘汰される、奪い合いの状況といえる
一方、総和がゼロにならない状態をノンゼロサムといい、 その中でも総和がプラスになる状 態をプラスサムと呼ぶ
プラスサム思考とは、限られた総和を奪い合うのではなく、全体の総和を拡張することで全員が利益を得る(Win-Win になる)方法を模索する考え方
プラスサム思考の利点は、ゼロサム状態の場合には敵対してしまう相手と協力関係を築ける こと
競争が発生した場合、目の前にある争いより1つ高いレベルで、共有できる目的や目 標を生み出すことができないかを考えてみるとよい
弁証法
ある特定の意見とそれに対立する意見を統合することによって、よりよいアイデアを生み出していく思考法
最初にある正しいとされる意見のことを”テーゼ”、それに反対する意見のことを”アンチテーゼ”、 テーゼとアンチテーゼを統合して生みだされた意見のことを”ジンテーゼ”と呼ぶ
テーゼ→アンチテーゼ→ジンテーゼの流れで考え、アイデアをぶつけ合わせながら、新しいアイデアを生み出していく
この流れは「正→反→合」とも呼ばれ、 これを経て統合されたアイデアを生み出すことをアウフヘーベンという
個人で用いることはもちろん、他者との対話の中でアイデアを深めていく際にも有効な考え方の1つ
ストーリー思考
物事を一連の物語としてとらえて発想・表現する思考法
問題解決のプロセスやユーザーの価値体験プロセスなど、 全体の流れと、 その流れを構成する部分的な シーン(場面)を連続的に可視化する考え方
ストーリーで考えることによって、 現場のイメージを具体化することができる、時間的な変化の因果関係を把握しやすい、他者への情報伝達において共感を得やすい、記憶に残りやすいと いったメリットがある
アイデア発想の場面でストーリーを活用する手法に 「ストーリーボード」がある
ストーリーボードの中で登場人物や行動、 言葉などの要素を1つの流れの中に凝縮するこ とによって、アイデアの理解と発展を促進することができる
2軸思考
2つの変数を軸として用いることで、情報の整理や理解、発想をうながす思考法
あふれる情報をシンプルに整理し、俯瞰できる点がメリット
物事を「点」で見るのではなく、2つの軸を用いて地図のように 「面」でとらえるのがポイン ト
発散したアイデアを整理して俯瞰するといった収束的な思考を促進するのはもちろん、思考の偏りを可視化したうえで、思考が不足している領域の発想をうながす 「発想支援」の役割もある
以下に、2つの軸を用いて4つの象限で考える方法として 「ペイオフマトリクス」を例として紹介する
この方法では効果と実現性 (実現しやすさ)の2軸でアイデアを評価する
図解思考
図の作成を通して複雑な情報の関係性をシンプルにとらえる思考法
文章で書き出して考えるだけでは難しい、 要素と要素の関係性を理解しやすいという利点がある
図解思考でポイントなるのは抽象化とパターン化
抽象化により物 事の全体像や要点を理解し、表現することができる
また、パターン化によって、類似の問題の事例から解決策を考えるための糸口を見つけやすくなる
アイデアの収束 発散はもちろん、プレゼンテーションや企画提案などの様々な場面で活きる思考法といえる
コメント