選好の心理学 自分の意志で選んだと思ったことも実は誰かに操られてるのかも

心理

スーパーで手に取る商品や次に自分がとる行動など、まさに人生は選択の連続です

この選択、当然自分が考えて自分の意志でしてるとみんなが思ってますが、実はそうでもないかもしれない説があったりなかったり

選好に関する心理学を知ると意外といろんなものに自分の思考は影響されてるんだなと考えさせられます

ashi
ashi

”人生は選択の連続”。マンガのセリフ(銀魂の阿伏兎。神楽と同じ夜兎族)として認識していましたが、実はシェークスピアの名言だったのか

現状維持バイアス

現状維持バイアスは、人が変化を避けて現在の状態を維持しようとする心理的効果を指します。

このバイアスは、選択肢の中から最もリスクの少ないものを選ぶ傾向があります。例えば、投資家が投資先を選ぶ際にも現状維持バイアスが働り、慣れ親しんだものに執着することがあります。

心理学や行動経済学では、合理性や先行経験、損失回避などをもとに現状維持バイアスを分析しています。このバイアスを乗り越えるためには、新たな成功体験を手に入れることが重要です。

現状維持バイアスは、日常生活やビジネスのあらゆるシーンで影響を及ぼすものであり、認識して適切に対処することが大切です

ハーディング効果

ハーディング効果は、周りの人々と同じ行動をとることによって安心感を得ようとする心理現象を指します。

人は、合理的に物事を判断したり自分で意思決定をしたりするよりも、周りの人の行動に合わせようとする傾向があります。

集団の中で社会生活を送っているため、「集団から外れたくない」という心理によって、多くの人間が間違った行動をとっていても、その中で自分一人だけで合理的な判断をもとに行動するのは難しいことです。つまり、「ハーディング効果」によって非合理的な選択をしてしまう可能性もあります。

具体例を挙げると、日常場面でもハーディング効果は多く存在しています。たとえば、周囲の人が全員iPhoneを使っていたら、アンドロイドのスマートフォンよりもiPhoneを選ぶ方が良い気がすることがあります。また、なかなか予約の取れないお店があったとしたら、きっと良いお店なのだろうと自分も行きたくなることもあります。このように、日常的にハーディング効果によって影響を受けているのです。

また、2008年のリーマン・ショックでは、投資家たちがサブプライムローンの関連商品の購入に過激化したこともハーディング効果による現象とされています。多くの投資家は、周りの投資家たちがサブプライムローンの関連商品を購入しているのを見て、自分も購入しなくてはという心理が働いたのでしょう。

このように、ハーディング効果は集団圧力が他人を同調させることに大きな影響を及ぼすことを示しています

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果は、多くの人が特定の選択肢を選んでいる現象が、その選択肢を選ぶ者をさらに増加させる効果を指します。

この心理現象は、人々が周りの人々と同じ行動をとることで安心感を得ようとする傾向に影響を与えます。具体的な例を挙げると、以下のような場面でバンドワゴン効果が発生します:

  1. 商品選択: ある商品が人気であると知ると、他の人々も同じ商品を選びたくなることがあります。これは、人々が「流行に乗る」ことで安心感を得ようとする心理です。
  2. 選挙投票: マスメディアの選挙予測報道などで優勢とされた候補者に有権者が投票しやすくなる現象もバンドワゴン効果です。投票者は勝ち馬に乗ろうとする傾向があります。

バンドワゴン効果は、経済学や政治学、社会学などで研究されており、集団心理や選択行動に影響を及ぼす重要な要素となっています

選択麻痺

選択麻痺は、選択肢が多すぎて脳が合理的な判断を下せなくなり、適切な変化を選べなくなる心理現象を指します。

具体的には、以下のような状況で選択麻痺が発生します:

  1. 商品選択: 商品やサービスの選択肢が増えた現代では、特に株や保険、格安SIMなど、多様なプランの比較検討が必要な商材について考える際に、「間違った選択をして後悔したくない」という思いが強くなり、結局「とりあえず今のままにしておけばいいや」となってしまう傾向があります。
  2. 投資の先送り: 決定麻痺を起こして現状維持を続けてしまい、長期投資の複利効果の機会を失ってしまう可能性もあります。選択肢が増えれば増えるほど、人の幸福度は下がるという心理学的な実験結果もあります。

選択麻痺を回避するためには、以下の方法が有効です:

  1. 意図的に選択肢を減らす: 選択肢が適度に減るように、絞り込みの条件を決めることです。例えば、スマートフォンの料金を安くしたい場合、「通話無料のオプションがある」、「月額料金が2,000円以下」といった「ゆずれない条件」を先に決め、これにあてはまらない選択肢は見ないようにします。
  2. 試金石を作る: 自分の中で「どんな商材を欲しいと思っているのか」が明確でない場合は、最初に手頃な銘柄を選んでみることから始める方法も有効です。小さな決定を踏まえて次の決定に進むステップアップの方法も、決定麻痺の回避に役立ちます。

選択麻痺を回避して、合理的な選択を増やしましょう!

コントラスト効果

この名前をもつ心理効果はいくつかあるようです

ウィリアムズ・ソノマの例

人は比較対象との相対的な比較で物の評価や判断をくだすというものです

27000円でパン焼き器が売られていたがなかなか売れなかった

そこで少し高機能の35000円のパン焼き器を投入した

すると27000円のパン焼き器が売れ始めた

このときパン焼き器というものはメジャーでなく比較対象がないため、客は27000円のパン焼き器が高いのか安いのか判断できなかった

そこに35000円のパン焼き器が登場したことで27000円の方が安いと判断できるようになり、客に購入を決断させるのを後押しした

差の大小の感じ方

こちらのコントラスト効果は対比されると2番目のものが最初のものと差がある場合には、実際よりその差が大きく感じられる心理学的な効果です

雁

ちょっと何いってるかわからない

ashi
ashi

もうちょっとかみ砕いて、具体的に書いてみよう

2つのものを比較して考えると、それぞれ独立して評価した場合よりも差が大きくかんじるということです

ashi
ashi

この説明どうでしょうか

んー、イマイチ!

ちょっと言葉で説明しても難しくなるだけのようなので具体例で示していきます

コントラスト効果の具体例には次のようなものがあります

  • チョコレートを食べた後にレモンを食べた時に、ふだんより酸っぱく感じる
  • 何もにおいを感じないところではかすかなにおいも感じ取れるが、強烈なにおいをかいだ後はかすかなにおいは感じにくい
  • 氷水に手を入れた後は常温の水が温かく感じる

このように直前の刺激によって、その次の刺激の感じ方が変わってくるというコントラスト効果があります

僕たちが商品を選ぶとき、その値段を高いと感じるか安いと感じるかは比較対象とするものの金額や、場合によっては全く関係ないと思えるような数字に影響されているかもしれません

感情ヒューリスティック

感情ヒューリスティックは、好きか嫌いか、もしくは感情反応が強いか弱いかによって判断を下してしまう心理的な現象です。

このヒューリスティックは、人が感情的な要素で意思決定をしてしまい、そこに付随するメリットやリスクも感情によって判断してしまう傾向のことを指します。例えば、以下のような状況で感情ヒューリスティックが働きます:

  1. 商品選択:
    • 好きなものに対しては高いメリットを評価し、リスクはほとんど考慮しない傾向があります。
    • 反対に、嫌いなものに対してはリスクを強調し、メリットはほとんど考慮しない傾向があります。
  2. 投資の先送り:
    • 意思決定に感情が絡むと、リスクを過大評価したり、メリットを過小評価したりすることがあります。

感情ヒューリスティックは、意思決定に影響を及ぼす重要な要素であり、認識して適切に対処することが大切です。

センター効果

人は真ん中にあるものを選ぶ傾向があります

こんな実験でこの効果の確認がされています
スペアミント、ペパーミント、ホワイトフロストの3種類のチューインガムを被験者に同時に見せて、好みのものを選ばせました
この実験は3種類の配置を変えながら行われました
結果、ガムの種類に関係なく中央に置いたガムが50%の割合で選ばれる傾向がありました

商品の陳列順によって、僕たちの選択はコントロールされているかもしれません

人は”無料”が好き

雁

無料が好きなんて当たり前じゃないの?

ashi
ashi

利益が同じ、もしくは小さい場合でも無料の方を選ぶみたいなんだ

突然ですが、問題です
あなたは次のどちらを選びますか?即決してください

アマギフもらうならどっち?
  1. 無料で500円のアマゾンギフト券をもらう
  2. 200円払って、1000円分のアマゾンギフト券をもらう

実は同様の実験を行動経済学者ダン・アリエリーがショッピングモールで行っています

この結果、大半の人が1.を選んだそうです

2.の方が1.よりお得なはずなのですが不思議な結果ですね

現実にはより巧妙に無料というエサを巧みに使って、営業マンは僕たちをおびきよせようとしているはずです

選好の逆転

僕たちは自分の選択は一貫していて筋が通っていると思いがちですが、状況に応じて好みが変わることは往々にしてあります

こんな例を考えてみましょう

無料のビール

居酒屋に入るとキャンペーンをやっていました

パターン①
ビール1杯が無料だそうです
今日は無料ビールサービスを利用せず、明日もう1度来店するとビール2杯が無料になるそうです

パターン➁
サービス券をお店の中で配っていました
1つは10日後にビール1杯が無料、もう1つは11日後にビール2杯が無料になります

あなたはパターン①、パターン➁でそれぞれどちらを選ぶでしょうか

雁

明日も同じ店に行くことないから今日の1杯無料を選ぶかな

ashi
ashi

ちょっとそのへんが上手くない例えだっていうのはご容赦ください….

パターン①では今日の1杯無料を、パターン➁では11日後のビール2杯が無料を選ぶ人がたぶん多いでしょう

このように常に2杯無料を選ぶのではなく、状況によって選好が逆転することがあります

今回の場合は時間の推移で好みが変わっているので選好の時間的非整合と呼びます

この非整合には時間割引率というものが関わっています

人は将来価値より現在価値を重視する場合があり、将来価値を低く見積もる程度が時間割引率です

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